2015年7月14日

2週間シングルファーザー

夏。家族の事情で、妻は自分より2週間早く日本へ。
3人娘のうち2人を連れて。

残った長女(6歳)は、父と2人暮らしである。

母と離れて暮らすのは初めてではない。三女出産の時は、長女と次女と自分の3人で、5日程度生活した(注:ジジババその他の手伝いは無し)。しかし、その時は当然、三女誕生を中心に生活が回った。つまり、弁当を買って、保育園から降園して、病院に行って皆で夕飯を食べる。それが毎日のハイライト。よって、毎日母に会えた。この生活パターンは「日常」ではない。

今回は全くの日常である。小学校や習い事がある普通の2週間。母に会えるわけでもない。時差があり、日本側では三女がギャーギャー言ってるので、skype や電話もできない(実際、一回もしなかった)。
この間、仕事をできないと覚悟を定めた。

1日目。妻、次女、三女を見送って家に帰る。
家についた途端、長女は「ママに手紙を書く」と言って便箋を持ってくる。
始まったばかりだぞ!

2日目。月曜日。今日から学校です。
予想通り3時間位しか仕事できない。長女は本好きで、家で勝手に本を読んでてくれることもあるが、基本的には「遊ぼう」とせがんでくる。次女もいると、勝手に2人で遊んでてくれるので、その意味では楽だ。じゃ、次女も置いてってもらった方がよかった? ... それはあり得ない。

3日目。妻がスープ用の野菜を切って冷凍してくれたおかげもあるが、10年以上真面目に料理してない自分が、普通に自炊できてることに気づく。一人暮らしの頃に、自炊してた時期が1年位はあるので、その頃が思い出される。

一人暮らしなら、雑になっても、外食が続いても、まあ困らない。しかし、今回は子どもに食べさせるので、あまり手を抜けない。疲れる。朝食を作り終わったら、夕食のメニューを考えてる、ああこの感覚!

6日目。炊事、食器洗い、洗濯、学校の送り迎え(がイギリスでは義務化されている)、公文、寝かしつけ、掃除。ひとつひとつはできる作業である(炊事と掃除は普段やってないので比較的苦手であることを認める)。ところが、全部やってこそ主夫である(専業主婦が全部をやるべきとは思わないけど)。主夫業は、三女誕生の5日程度を除けば、初めてだ。日に日に疲れがたまってくる。

普段、妻は「やっと週末だ」と言う。小学校がなく、ゆったりできるから。
自分は「週末が憂鬱だ」と言う。子どもと一日中べったりで疲労困憊するから。
ところが、今日は、自分も「やっと週末だ」と思う。あれれ?

7日目。疲労の心配を除けば、自分の優先事項は「2週間嫌だった」と長女に思わせたくないことである。2週間父と2人、というのは娘にとって多分印象深いできごとだ。6才の大きなイベントなんて、20年後も結構覚えているものだ。ということは、娘も一生覚えているかもしれない。

20年の計である。したがって、週末もそれなりに楽しくしたい。土曜は電車で一時間の Cardiff のお祭りに出かけ、友人のピアノの発表会にも行く。日曜日は近所の体育館でやってるローラー・スケートを滑るイベントに出かける。無理しすぎ? 幸い、友だちが夕食に招待してくれる。ありがとう。

20年の計に従って、怒る回数も普段よりかなり少ない。怒るのが多いと「2週間嫌だった」という方向にしか行かない。目先の論理で怒らない。忍耐。娘は、そこにつけこんで普段より甘えてきてる気もするんですけど。

10日目。疲労やばい。夜中も、けっこうな頻度で起こされてしまうので、眠れてない。「うわぁー」と叫んだり、「怖い夢を見た」と言って起こしにきたり。他にもいろいろうるさいし。。
ちなみに、普段は自分は別室で寝てて、睡眠面で楽させてもらっている。

11日目。栄養バランスや味としては問題ないと思うが、食事がパターン化されてることが目立つようになってきた。長女がどう思っているかは分からんが。このパターン化された食事で2ヶ月だったらアウトだろうな。新しい料理を試す気力はさすがに起きない。

13日目。もう少しだ!

14日目。日本へ。
おりこうさんでした。20年後、覚えているかな?
父にとっても、一大イベントでした。

意外だったのは、イギリスの中でも「俺にはできない」と言っていた(イギリス人などの)父親が多かったこと。一方、自分より子育て度の高い父親は、イギリスには半分かそれ以上いる気がするし、日本の男友だちで兼業主夫の人も少しだがいる。
一週間でいいので、興味あればぜひやってみて下さい。
自分は多分来年もやります。